私の学校には「アンパンマン」と呼ばれている人がいました。
「アンパンマン」といえば、みなさんご存じですよね。
お腹が空いている人に自分の頭を分けてあげる、あの心優しいキャラクターです。
そういえば私の通っていた中学校にも、「アンパンマン」と呼ばれている人がいましてね。
彼はいつも、フラフラと歩き、目の焦点は定まらず、ろれつもうまくまわらず、なんだか酔っているような人でした。
彼の友達には、くいしんぼうな「バカ夫」くんというのがいまして、バカ夫くんが元気がない時には『これを吸って元気を出して。気分がとってもよくなるよ、エヘヘ』なんて言いながら、何か袋に詰まったものをよく渡していました。
そうそう、そんなアンパンマンには、ファミリーと呼ばれる、親しい3人の仲間がいましてね。
彼らはいつも仲良く一緒につるんでいました。
あだ名はたしか・・・タバコさん、シャブおじさん、狂犬クーズだったかな。
彼らがアンパンマンを助ける時は『アンパンマン、新しい差し歯だよー!』なんつっててね。
そんな彼らは、教師達からは病原菌のように嫌われていて、目の敵にされていました。
まぁ、卒業を迎える前には全員逮捕されて居なくなってしまってたんですけどね。
連行されていった時の言葉は「バイバイキーン」だったそうです。